クレジットカード決済とは、クレジットカードを利用して、後払いで商品やサービスの代金を支払う方法です。カードを持つ利用者は、クレジットカード発行会社を通じて一時的に代金を立て替えてもらい、後日、指定の銀行口座から引き落としされるといった仕組みです。
クレジットカード決済の現状
クレジットカード決済は、キャッシュレス決済の種類の中のひとつです。紙幣や硬貨といった現金を使用せずに支払いを行う方法のことを指します。クレジットカード以外にも電子マネーやQRコード決済などが含まれます。このキャッシュレス決済は世界的にも、スマートフォンの登場によって大きく変化したといえます。
クレジットカード決済はキャッシュレスとよばれる決済の中でも、以前から存在しているもので、物理カードを決済端末にスライドさせる方法が主流でした。
その後、端末にカードを差し込む方式になり、カードの偽造などから守られるほどに安全性が向上しました。近年ではカードを端末にタッチすることで決済が可能なタッチ決済が主流となっています。が広がっていて、利便性も向上しています。さらにクレジットカードでの支払いによってさまざまなポイントを取得することができ、それらのポイントはさまざまな利用用途に応じて利用することができます。近年注目されている「ポイ活」、いわゆるポイントを貯めたり、貯めたポイントを活用したりするポイント活動との相性がいいということもあり、クレジットカード決済を始めとするキャッシュレス決済サービスを利用するひとは増加の一途を辿っているという現状があります。
飲食店におけるクレジットカード決済サービス
クレジットカード決済の現状をみると、利用者はどんどん増えており、現金を持ち歩かない場合もあるほどです。飲食店での導入もぞくぞくと増えてきており、現金のみの取り扱いでは、これから先を見据えたときに集客や売り上げに影響が出る可能性があります。しかしながら、飲食店の中にはクレジットカード決済が導入されていない店舗もみられます。それには次のような理由があるのです。
クレジットカード決済における加盟店手数料
実際にクレジットカード決済がおこなわれた場合、加盟店は支払い金額の一部を手数料として支払うことになっています。クレジットカード決済の加盟店手数料は、決済金額の一定の割合で、業種や事業規模などによって異なりますが、一般的には、決済金額の3~10%前後に設定されています。
加盟店手数料の相場
コンビニ | 約1% |
小売店 | 約4% |
デパート・百貨店 | 約2~3% |
飲食店 | 約5% |
個人経営店・小売店・専門店 | 約3~5% |
サービス業 | 約7~10% |
大手のチェーン店と比較して、売上が少ないと思われる個人経営店では、クレジットカード決済がおこなわれた際の手数料が高くなってしまうことになります。
また加盟店が本来支払うべき手数料を商品の代金に上乗せして顧客に請求することは多くのカード会社の規約で禁止されているため、個人経営が多くみられる飲食店においては、クレジットカード決済の導入に慎重となる場合がみられるのです。
飲食店でよく導入されるクレジットカード決済サービスまとめ
飲食店でよく導入されるクレジットカード決済サービスにはどのようなものがあるのか紹介します。
アルファノート(アルファノート株式会社)
実店舗とオンラインサービスの両方にクレジットカード決済サービスを提供する決済代行会社です。クレジットカード決済は、キャッシュレス決済のなかでも利用率の高い決済方法です。店舗で購入した商品の支払いから、Webサイトで販売された商品購入など、幅広いシーンで利用されています。アルファノートが提供するクレジットカード決済は、5大国際ブランド(Visa、Master Card、JCB、AMERICANEXPRESS、Diners)や銀聯など全7種類のブランドに対応しています。QRコード決済や電子マネー、コンビニ決済などにも幅広く対応します。更に「WeChat Pay」や「Alipay」といった海外系の決済サービスも利用可能です。
AirPay(株式会社リクルート)
AirPayはリクルートが提供しているクレジットカード決済サービスです。VISAやMasterCardはもちろんのこと、中国の銀聯カードやiD払いにも幅広く対応しています。多くメインバンクとされている三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行には月に6回振込が行われるため、非常に資金繰りがしやすいといえます。さまざまな決済に対応、業界最安水準※の手数料、振込手数料・月額固定費0円などが人気の理由です。
Square(Square株式会社)
ビジネスにスピードを。導入・決済・入金、すべてがはやいSquareでは、主要6大ブランドのクレジットカードに加え、デビットカード決済など幅広い決済手段をそろえているプラットフォームです。QRコード決済や電子マネー決済といった決済手段、タッチ決済やモバイルウォレット、ICカードといった支払い方法にそれぞれ対応します。メールアドレスや事業内容といった情報を入力して、無料アカウントを作成するだけでクレジットカード決済を導入することができます。飲食店向けやサロン向けなど、各業種に合った機能もそろっています。
店舗決済サービス(楽天ペイメント株式会社)
楽天ペイは楽天が運営しているクレジット決済サービスです。QRコード決済の導入費用が無料で、月額費用などの固定費もなく、お支払いは決済手数料のみとなっており、QRコード決済の導入費用が無料です。中小事業者を応援するため、2つの決済手数料プランの用意があります。楽天銀行を利用している場合は、振込手数料が無料な上に、翌日自動入金のため非常に便利です。楽天ペイを利用することで、楽天ポイントが決済手段として利用可能になります。
ゼウス(株式会社ゼウス)
SBIグループ企業である同社が提供する決済サービスです。、安心・安全をモットーとしており、豊富な導入実績をもちます。設立25年以上の信頼を得ています。主要6ブランドに加えて、セゾンカードや楽天カード、エポスカードなどを含む30種類ものクレジットカードに対応します。オンラインと店舗それぞれに向けたクレジット決済サービスを提供します。決済端末は、クレジットカード決済専用端末とPOSレジ対応端末、電子マネーやQRコード決済、継続課金まで対応する端末の3種類がそろっています。
クレジットカード決済サービスを選ぶ際のポイント
クレジットカード決済サービスはここ数年で多く増えてきました。実際に導入するサービスを選ぶときに際に押さえておくべきポイントを解説します。
店舗向け
実店舗がクレジットカード決済代行会社と契約する際、指定された決済端末を使用するのが一般的です。しかし、さまざまなキャッシュレス決済がおこなわれ、海外からの観光も増える現在では、それらに対応できるような決済サービスが必要とされます。
対応する決済端末の種類
飲食店はとくに実店舗を構えている場合がおおくみられます。またクレジットカード決済に加えて、電子マネーやQRコードといった幅広い決済方法に対応できるサービスなどもあります。
決済ブランドの対応範囲
クレジットカード決済代行会社によって、取り扱う決済ブランドが異なります。多くの代行会社が対応している「VISA」「Mastercard」「American Express」といった主要6ブランド以外は、どのような決済ブランドへの対応しているか事前確認が必要です。たとえば、インバウンド需要が見込まれる観光地などの場合は「WeChat Pay」や「UnionPay」、「Alipay」といった海外ブランドまで対応するものを選ぶと利便性が向上します。たとえばアルファノートの決済端末「アルファポータブル」は60種類以上の決済ブランドに対応。WeChat PayやAlipayといった海外決済ブランドもカバーしています。
入金サイクル
クレジットカード決済サービスによって、決済が完了してから実際にお店の口座に入金されるまでの期間には違いがあります。決済が完了した翌日に入金されるパターンや、一定のサイクルでまとめて入金される場合もあります。入金サイクルはお店の資金繰りに大きな影響を与えることとなるため、サービスを選ぶ際は確認しておくことをおすすめします。
クレジットカード決済導入のメリット
- 顧客満足度が向上し、集客力アップにつながります。
- 現金よりも多く使われる傾向があるため、客単価が上がる傾向があります。
- 釣り銭ミス・盗難リスクの低減による現金管理の手間が減ります。
- オンライン注文やデリバリーサービスとの相性がいいといえます。
導入時の注意点
- 店舗負担である決済手数料がかかります。
- カードリーダーや決済端末の導入コストが発生します。
- 売上金の入金が即日ではなく、数日〜数週間後になる場合もあります。
まとめ
クレジットカード決済は、現金を使わずに商品やサービスの代金を支払う方法で、後払いが基本です。利用者にとって便利な支払い手段であり、ポイント還元などのメリットもあります。店舗側にとっても集客や売上向上につながるため、導入が進んでいますが、手数料負担や導入コストなどのデメリットも考慮する必要があります。