調理師専門学校では、調理に関することを学ぶことができ、課程を修了することで調理師免許を取得することも可能な場合があります。
調理師専門学校とは
調理師専門学校とは、調理師を目指す人のための専門教育機関です。料理の基礎から専門的な技術・知識までを体系的に学べる学校で、日本全国に多数存在します。
調理師免許とは
日本において調理の専門的な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。この資格を取得することで、飲食店や給食施設などでの調理業務において、専門家として認められることになります。調理業務における調理師免許の重要性は、単なる資格取得以上に多方面に影響を与えます。
調理師免許を取得するには、主に2つの方法があり、一つは、厚生労働大臣が指定する調理師養成施設で学ぶ方法、そしてもう一つは、飲食店などで2年以上の調理業務経験を積んで調理師試験に合格する方法です。
調理師免許は、「なくても働ける」ことはありますが、持っていることで得られる信頼・選択肢・責任範囲の広がりは非常に大きいです。特にプロとして長く働きたい、施設での調理を目指したい、自分の店を持ちたいという人にとっては、非常に重要な資格といえます。
衛生・安全に関する専門知識の証明
調理師免許を取得することで、衛生や安全面の知識を習得していることが証明されます。
食中毒の予防／衛生管理の方法（HACCPなど）／安全な食品の取り扱い／アレルギー対応などのリスク管理
特に学校・病院・介護施設など、食品事故が重大な結果につながる施設では非常に重要です。
調理のプロフェッショナルとしての信頼性の向上
調理師免許は、「プロの調理人」としての客観的な評価基準になり、飲食業界でのキャリアアップにもつながります。
採用時に有利になる（企業や施設が評価）／顧客や利用者からの信頼性アップ／他の無資格調理者との差別化
法律上の要件を満たす場合がある
以下のような施設では、調理師の配置が法的に義務付けられている場合があり、調理師免許がない場合には責任者になれないケースもあります。
学校給食センター／病院・福祉施設の厨房／一部の集団給食業務を行う事業所
食品衛生責任者の資格が取得できる
調理師免許を取得することで、食品衛生責任者の資格を講習なしで取得可能です。自身で飲食店を開業したい場合には有効となります。
社会的評価とキャリア形成に有利
調理師免許は履歴書に記載できる国家資格であり、国際的に資格取得者は信頼されやすい傾向があるため、海外就職でも役立つことがあるといえます。将来的には、調理指導員や教員などの道も視野に入るでしょう。
調理師専門学校でできること
調理師専門学校ではどんなことを学び、どのようなことができるようになるのか解説します。
調理師免許の取得が可能、または近道
厚生労働大臣指定の養成施設となる調理師専門学校を卒業すると「調理師国家試験」の受験が免除されます。申請だけで国家資格である調理師免許が取得できる場合が多いといえます。
実習中心のカリキュラム
授業では、包丁の使い方、出汁の取り方、盛り付けなど、実技を重視した授業が多く、即戦力になる技術を身に付けることができます。
幅広いジャンルを学べる
和食、洋食、中華、製菓、製パンなど、幅広く学べるカリキュラムが用意されています。
プロの講師陣や現場経験者から学べる
現役の料理人や経験豊富な講師から、現場で役立つ知識やマナーも習得できます。
調理師専門学校はこんな人におすすめ
- 飲食業界でプロとして働きたい
- 将来自分の店を持ちたい
- 調理師免許を取得したい
- 料理の基礎をしっかり学びたい
進路例
調理師専門学校卒業後の進路は、調理をメインとした職業につくことができます。
- レストラン、ホテル、旅館の料理人
- 病院や給食施設の調理員
- カフェや居酒屋などの店舗スタッフ
- 開業して自分の店を持つなど
調理師専門学校に入学するには
入学資格
一般的な調理師専門学校では、以下の条件を満たしていることで入学することが可能です。
| 条件 | 説明 |
| 学歴 | 中学校卒業以上（多くは高校卒業以上が望ましい） |
| 年齢 | 特に制限はない（社会人や大学卒業後の進学も可） |
| 日本語能力 | 留学生の場合、日本語能力試験（JLPT）N2以上が必要な学校もあります。 |
入試の種類
調理師専門学校の入試は大学のような学力重視ではなく、人物評価ややる気を重視する傾向があります。
AO入試（総合型選抜）
A大学や専門学校が、学力試験の成績だけでなく、受験生の個性や能力、学習意欲などを総合的に評価して合否を決める入試方式のことです。面談中心で、やる気や目的意識を重視した入試となります。早期出願が可能です。
推薦入試
高校の推薦書が必要です。一般的に成績や出席状況が評価され入試です。
一般入試
主に書類選考と面接です。学校によっては、国語や作文といった筆記試験をおこなう場合もあります。
社会人入試
社会人経験者向けの入試です。書類と面接で選考されることになります。
必要書類の例
- 入学願書
- 最終学歴の卒業証明書・成績証明書
- 写真
- 推薦書（推薦入試の場合）
- 健康診断書（必要な学校もあり）
学費
学校によって違いがありますが、年間100万円 〜 160万円程度が一般的です。（入学金・授業料・実習費・教材費含む）
入学までの流れ（例）
- 学校選び・資料請求
- オープンキャンパスに参加
- 出願（書類提出）
- 面接・入試
- 合格通知
- 入学手続き・学費納入
- 入学（4月または10月が多い）
