お店が繁盛するための立地条件にはどのようなものがあるのでしょうか。
立地条件とは
立地条件とは、物件がどのような場所に建っているのかを表すものです。物件の買主や借主が、物件の場所や環境に求める要素全般を指す言葉になります。
分かりやすい例でいうと、駅まで徒歩〇分などのような交通の利便性や周辺施設の充実や街全体の雰囲気なども立地条件に含まれています。
店舗を開業させる際に集客に大きな影響を与える立地条件は無視することができないポイントとなります。良い立地条件で出店することで、集客につながり繁盛するお店として認知されることができるからです。
立地がよいと繁盛するのはなぜ?
飲食店の集客で多くみられるものに、実際の店舗をみて入店を決める場合があります。実際のお店を見て、そのお店を認知していることがあるのです。
つまり良い立地条件で出店すれば、多くの人の目に触れる機会が増え、宣伝広告による集客をおこなわなくてもお客さんが増えることが期待できるということにつながります。
立地条件で気を付けたいこと
立地調査
立地調査とは、店舗を開業する際に適した場所を探すために候補地周辺の地域特性を調査することを指し、候補地分析とよばれることもあります。
主におこなわれる調査の内容として、開業予定地周辺の地理的条件、交通体系など、人の流れを左右する要因を調査することで、その場所が開業に適しているかどうかの判断材料を集めます。立地調査の中で特に地理的な条件に関して、商圏という言葉が使われます。環境や営業形態によって変動するものではありますが、一般に開業する店舗に見込め集客の範囲を地理的に表したものを指します。需要に合わせた利用のしやすさによって次のように分類されることが一般的です。
一次商圏
食料品や日用品など、ほぼ毎日の需要があるものが手ごろな価格帯で購入できて、品ぞろえが豊富であるスーパーやコンビニエンスストア、ファストフード店が代表的です。徒歩5分~10分圏内の駅前や人通りの多い商店街の中などを指します。
二次商圏
車で10分程度で行ける距離で、週に数回利用するような場所のことで、ドラッグストアや家電量販店などが代表的です。駐車場が併設されている場合が多いことが特徴です。
三次商圏
車や電車で30~40分かけて行く距離にあり、百貨店や大型ショッピングモールが該当します。月に2~3回程度という利用頻度ですがサービス提供価格が、一次商圏や二次商圏に比べて高額なことが多いです。
店舗を開業したい商圏を定、その中の人口構成や競合店の有無を調査します。地域住民の年代層や生活パターンを把握することで、開業したときの売上げ見込みや収益の予測を立てることができます。
動線
動線とは、地域の住民や地域の勤務者などの見込み客の流れのことをいます。見込み客が集まり、移動する動線上に物件があれば、動線の強い物件といえます。特に飲食店などでは、オフィス街から駅までの帰宅途中の動線にあることが集客に大きな影響を与えます。
分断要素
商圏内に通行量の多い産業道路、電車の線路、河川、広い敷地の学校や公園などがある場合、人の移動を大きく妨げることになり、その先のエリアが商圏として期待できなくなる可能性があります。このような分断要素が存在すると、商圏に大きな影響を与えます。
人気の立地
人気のエリアであるからといってお店が成功するとは限りません。人気のエリアであるということは、競合店が多いということになります。それらのリスクをあらかじめしっかりと考えておく必要があります。
繁盛するお店の立地条件とは
一般的に好立地とされているのは、駅が近い、人通りが多い場所となります。それ以外に理解しておくべき立地の種類を把握しましょう。立地には大きく分けて5つの種類があり、それぞれに特徴があります。これらを認識することで効率的な立地調査ができます。
ビジネス街
企業オフィスが並び、平日のランチタイムやディナータイムに会社員が多く集まる傾向があります。企業が休みとなる土日・祝日などには需要が低くなります。競合とターゲット層が被るため差別化がポイントとなります。
駅周辺
駅近は人通りが多く広告宣伝にかかわらず、ある程度の集客が期待できるエリアです。駅が近いため徒歩で行き来をする人が多く、アルコールの需要は大きいと考えられます。一方で、賃料が高額となる場合があるため出店する際は予算などを考慮しながら決めましょう。
繁華街
繁華街とは、都市圏の駅前のような公共交通機関が発達していて人通りや交通量が多く、飲食店や専門店、大きな商業施設が充実した便利な地域です。曜日に関係なく、人通りが多く、さまざまなターゲット層の人が行き来するため集客しやすいエリアといえます。しなしながら、当然競争性が高いという点でがデメリットともいえます。
住宅街
住宅が多い場所で繁華街より賃料が安いという特徴があります。メインターゲットとなるのは地域住民ですので、リピーターをどれだけ多く獲得できるかがポイントとなるでしょう。住民の層によってメニューや価格帯を考える必要があります。
郊外
都市の中心部から離れた、住宅や田園が広がる立地のことを指し、賃料が安く競合店も少ないでしょう。ドライバーや家族連れなどがターゲットとなりますが、人通りが少ないため、集客が難しいかもしれません。わざわざ移動の手間をかけてもそこに行きたくなる高付加価値の提供が必須です。
このように繁盛するお店の立地条件は、業種やコンセプトによって異なります。そのため一概にこの立地がいいということはできないのです。
好立地がいいというわけではない
好立地だからといって必ずしも飲食店が繁盛しているとは限りません。好立地はメリットが多い反面、競争率も家賃も高い傾向にあります。
さらに人通りの多い好立地でも、行き来する人の所得や世代によっては関心を持ってもらえない場合もあります。一般的に好立地とされる土地でも、賃料に経営を圧迫されるようでは、店舗にとっては良い立地とはいえないのです。
まとめ
好立地というのは店舗によって異なります。高級レストランであれば学生が多い街は不向きとなり、カフェや定食屋にとって好立地となります。このように、コンセプトとターゲットなどがマッチすることで、繁盛するお店となることができるといえます。