小さな飲食店を人気の繁盛店にする方法を解説します。
小さい飲食店
小さい飲食店という明確な定義はありませんが、店舗内の面積が10~15坪程度で、席数が10席程度と考えられます。厨房の大きさ、またカウンター席かテーブル席かによって、席数は増減するでしょう。業態はいろいろあり、ラーメン店、カレー屋、カフェ、バーなどさまざまです。
近年では実際に、飲食業で独立・開業する際に10坪以下の物件の契約数は全体の約半数が占めていることから、小さい飲食店の開業が人気であることが伺えます。
特に現在は、新型コロナウィルスの影響により大人数での宴会などを控える傾向にあり、できるだけリスクを抑えるために10坪程度の小規模店で始めるケースが多くみられ、テイクアウトやデリバリーの専門店が増えてきています。限られたスペースで、売上を最大化することが可能な小さな飲食店に注目が集まっているのです。
小さい飲食店のメリット・デメリット
小さい飲食店におけるメリットやデメリットを知っておきましょう。
メリット
開業しやすくランニングコストが安い
まず開業のための物件などが安く済みます。また家賃や光熱費、人件費のほか、厨房機器や食器も大きな店舗よりも少なくて済むため運転資金を大幅に抑えることにつながります。店舗の広さや業種によっては空調なども、一般家庭で使用されるようなもので十分な場合があります。
人件費が抑えられる
小さな飲食店では、従業員を雇うことなくオーナーがひとりで経営する場合もあります。人件費がかからないということは経費の削減につながります。
店内に目が行き届く
小さな飲食店ならではの特徴といえます。店内を見渡せる広さであれば、なにかの異変やトラブルの際にも迅速な対応が可能となります。注文などもとりやすくなるでしょう。
必要な資格が少ない
一般的な飲食店では、食品衛生管理責任者と防火管理者の二つの資格を取得する必要がありますが、店舗内の客席数が30名以下の場合は、防火管理者の資格が不要となります。
デメリット
売上の最大値が低い
飲食店の業種によって回転率なども変わるため、一概にはいえませんが、席数が少ないことに比例して売り上げに上限がみられる傾向があります。
安い仕入れが難しい
一度に大量の食材を仕入れることができれば、ひとつあたりの単価が下がるため全体の価格は安くなりますが、小さな店舗では、それらを全て消費することは難しく、保存するための厨房機器などを揃えなくてはいけなくなります。そのため、安い仕入れがむずかしくなってしまうのです。
上記のメリットとデメリットを理解し、それらを活かしたり改善することが店舗の繁盛に影響することとなるでしょう。
小さな飲食店繁盛させる方法
いま注目される小さな飲食店ですが、実際に繁盛させるにはどのようなことがひつようなのでしょうか。以下にポイントをまとめました。
独自のコンセプトの確立
競合する店が多い中で、独自のコンセプトを確立し、個性的な店づくりを行うことが大切です。他の店では提供されていない魅力的なメニューを作ることができれば、それはお客様に選ばれやすい条件となります。品数が少なくても、オリジナルにあふれた料理がひとつあることで、集客につなげることができます。
それは、他の競合との差別化にもなり、独自性を強調することになるのです。アイディア次第で看板メニューであり、人気メニューといえるものを導入することが飲食店が繁盛するひとつの条件ともいえます。
また内装にもひと工夫あるといいかもしれません。小さな店内でストレスのない動線などを考慮すること、小さな店内ならではのデザインなどのアイディアをだしてみましょう。メニューだけでなく、店舗そのものを表すことのできるコンセプトは、非常に重要なものといえます。
品質の維持と向上
小さな飲食店で重要なことは、味や品質、サービスの維持と向上です。素材の鮮度や調理の技術だけでなく、サービスの質などを常に改善を重ねながら、顧客満足度を一番に考えることを優先する必要があります。
特に小さな飲食店では、接客に力を入れるといいといわれています。なぜならそれが小さな飲食店の強みともいえるからです。
来店者に喜ばれるサービスは、顧客満足度も向上につながります。そのためには、顧客のニーズと要望を理解する必要があり、それらに合った商品やサービスを提供することがいいでしょう。顧客満足度を考えることは、リピーターを増やし、口コミなどによって新しい顧客を獲得することにつながります。たとえ料理が美味しかったとしても、接客マナーが悪い、隅々まで衛生的ではないなどは、リピートしようと思わないものです。
SNSなどの情報発信
近年はSNSなどを活用した情報発信が一般的となっています。お店の情報を発信することも効果的です。料理や店内の写真以外にも、クーポンなどを用意するといった飲食店も多くみられます。
SNSでは注目されるような写真やお得なクーポン、キャンペーンなどが効果的といえます。フォロワーによる拡散が期待できることから、多くの飲食店がSNSを活用した集客をおこなっています。
またメルマガやDMを活用して新しいメニューの情報やキャンペーン情報を配信するなども有効で、来店を促すことができます。顧客データを収集して、お客様に合わせたマーケティング施策を展開することもおこなうといいでしょう。
経費の削減
小さな飲食店では人件費を削減することができます。電気やガスの使用量を減らす工夫も重要な経費の削減です。在庫管理を徹底することで、無駄な出費をおさえ、廃棄物を減らすようにしましょう。これは環境への配慮にもつながります。経費削減を考慮することは、大きな売り上げがない場合でも利益を確保しやすい要因となります。
まとめ
小さな飲食店を繁盛させるには、その小ささを強みとして活かすことを考えてみましょう。独自のコンセプト、オリジナルのメニュー、品質のよいサービス、などで顧客満足度をあげることを優先的に考えることをおすすめします。