さまざまなSNSがある中で、飲食店がTikTokうを活用することにはどのようなメリット・デメリットがあるのかを知っておきましょう。また活用事例などを参考に効果的にTikTokを利用するといいでしょう。
TikTok(ティックトック)とは
中国の企業「ByteDance(バイトダンス)」が運営する短尺動画共有プラットフォームです。ユーザーは15秒から10分程度の動画を撮影・編集・投稿ができ、特にダンス、コメディ、料理、ライフハック、Vlog などのコンテンツが人気で、ユーザーは若年層に多くみられます。
TikTokの主な特徴
短尺動画 | いわゆるショート動画といわれるもので、15秒から3分程度の動画となります。一般の動画違い、視聴も気軽にできるだけでなく投稿のハードルも低いことで人気です。 |
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豊富なエフェクト・編集機能 | フィルター、BGM、スタンプ、テキスト追加などが可能で誰でもエンタメ性の高い動画を作成することができます。 |
おすすめ(For You)機能 | AIがユーザーの興味に合わせて動画をレコメンドしてくれるだけでなく、フォロワー以外のユーザーにもコンテンツが閲覧されやすく、拡散性が高い傾向があります。フォロワーが少なくてもバズる可能性があるということになります。 |
投稿のネタが豊富 | TikTokは「チャレンジ」という、「お題」のハッシュタグを用意し、ユーザーに提供しています。何を投稿すればいいのか分からない場合でもお題があることで投稿のネタに困りません。 |
音楽との連携 | トレンドのBGMを使って動画を作成しやすいことから、音楽に合わせて踊る動画や面白いシーンを取り上げた動画などが人気です。 |
ライブ配信 | フォロワーとのリアルタイム交流が可能です。 |
飲食店とTikTokとの相性
TikTokを活用することで飲食店はどのような効果を得ることができるのでしょうか。飲食店とTikTokの相性をみていきます。
ハッシュタグ機能
ハッシュタグ機能で拡散されやすいといった理由があります。TikTokだけでなく、他のSNSでも頻繁に利用されるハッシュタグ( # )機能ですが、これはキーワードの前に( # )マークをつけて投稿する機能のことを指します。投稿者の属性や投稿に関連するコンテンツなどを一目で確認できるようになります。
投稿の検索性を高めたり、視認性を高めるだけでなく投稿の関連コンテンツを確認しやすくなったり、趣味や意見が合う仲間を見つけやすくなる、ブランドの可視性やリアクションを高める、フォロワーの増加に貢献するなどの効果があるものです。TikTokでは、しばしば #TikTokグルメ がトレンド入りするため、飲食店との相性がいいといえるひとつの理由といえます。
位置情報
位置情報機能が付けられるというのもTijkTokと飲食店との相性がいい理由のひとつです。TikTokはGoogleマップと連携することが可能です。そのためSNSの投稿をGoogleビジネスプロフィールに反映させることができるということになります。TikTokでみたお店と地図があれば、利用者も足を運びやすい環境となり、飲食店の集客には向いていることになります。
「食べログ」へのリンク設定
大手グルメサイトである食べログとTioTokは2021年に連携が始まりました。若年層を中心に幅広い層に利用されており、また飲食店を紹介するグルメジャンル動画の人気も高まっていることが理由とされています。具体的には、TikTokのクリエイター向け投稿設定ページに、動画で紹介する飲食店の食べログ店舗情報ページへのリンクを登録できる機能が追加されています。これにより、動画を見たユーザーは食べログへのリンクボタンをタップするだけで飲食店の店舗情報をすぐに確認することができるのです。
上記のように飲食店もTikTokを活用することで、集客やブランディングを行えるようになってきているのです。
飲食店のTikTok活用のメリット・デメリット
メリット
飲食店がTikTokを活用するメリットとデメリットをまとめました。
バズりやすい・拡散力が高い
TikTokはアルゴリズムによって、フォロワーが少なくても動画が広く拡散される可能性が高いということから、短時間で話題になれば、多くの新規客の獲得につながるといえます。
視覚的に魅力を伝えやすい
料理の見た目や調理過程、店の雰囲気などを短い動画で直感的に伝えることができます。「美味しそう!」と思わせる映像で食欲を刺激しやすいということが重要です。
低コストで広告・PRができる
TikTokは無料で投稿でき、広告費をかけずに集客につなげることができます。広告を出す場合も、ターゲット層を細かく設定することが可能です。
Z世代・若年層(10代〜30代)へのアプローチに適している
TikTokの主要ユーザー層は若年層のため、学生や若者向けの飲食店にとっては特に効果的といえます。
トレンドに乗ることで認知度アップ
人気の音楽や流行のフォーマットを活用することで、より多くの人の目に留まりやすい傾向があります。TikTokチャレンジやASMR動画などの流行に合わせるとバズりやすいといわれています。
口コミ効果が期待できる
ユーザーが動画を見て好感をもつことで、自発的に拡散してくれます。来店客が自分のTikTokに投稿することで、さらなる宣伝効果が生まれます。
デメリット
バズる保証がない
TikTokのアルゴリズム次第で、どれだけ工夫しても再生数が伸びないこともあります。継続的な投稿が必要で手間がかかるため忙しい時期には投稿が難しくなる場合もあります。
一時的な話題で終わる可能性がある
一度バズっても、継続的な集客につながるとは限りません。話題になったから行ってみた、だけで終わるケースは非常に多くあるのです。
悪評が拡散されやすい
良い評判だけでなく、ネガティブな口コミや炎上もしやすい特徴があります。料理の写真と実物が違う、店員の態度が悪いなど、マイナスな情報が広まるリスクは良い評判よりも拡散されやすい傾向があります。
動画制作の手間がかかる
クオリティの高い動画を作るには、撮影・編集のスキルや時間が必要となります。料理人や店員がTikTok運用を兼任すると負担になることが考えられます。
ターゲット層が限定的
TikTokのユーザー層は比較的若いため、高齢層の集客には向きません。高級レストランや格式のある店では、TikTokの雰囲気と合わない場合もあったり、マナーを知らないような若者の来店につながる可能性もあります。
他店との差別化が難しい
飲食店の投稿は似たような内容になりがちで、競争が激しいというのが現状です。とくにTikTokではエンターテイメント性を意識する必要があるため、どこかで見たような動画にならないよう、独自性を出す工夫が必要となります。飲食店の場合、料理だけでは弱くなってしまいます。
飲食店のTikTok活用事例
SUBWAY(サブウェイ)
@subwayjapan
TikTokの寄せられたコメントなどに応える形で、サンドイッチを作っていったり、おすすめのサンドイッチを紹介したりしています。手際の良さとおいしそうな見た目で多くの人がサブウェイに足を運ぶことになりました。
焼き鳥どん 日垣兄弟
@higakiyakitori
東京の駒込、荻窪、西巣鴨の3箇所に店舗を構える焼き鳥屋さんです。飲食店あるあるをネタに焼き鳥だけでなく、そこでガタラ区人たちの魅力をも発信することで人気がでました。
金沢フルーツ大福|凛々堂
@rinrindou_fruit1
フルーツ大福は、鮮やかな見た目と斬新さが目を惹き、バズにつながりました。ふわふわの大福をカットする動画はついみてしまいます。お店の集客のみならず、アルバイトなどの採用もTikTokを使って行われています。
まとめ
上記でみてきたように、TikTokと飲食店の相性は悪くないことがわかります。しかしながら、動画は動きが必要であるため、料理だけを見てほしい場合には不向きかもしれません。継続的な集客につなげるには、コツコツと投稿が必要であることも忘れてはいけません。TikTokは拡散力が強く、うまく活用すれば大きな集客効果が期待できますが、継続的な運用やリスク管理が求められます。飲食店の特徴やターゲット層を考えながら、戦略的に活用するのがポイントです。