飲食店を開業する際の物件探しは、ビジネスの成功に大きく影響する大事なステップです。
物件探しの手順とポイント
飲食店を開業する際の物件探しの手順とポイントをおさえておきましょう。
出店コンセプトを明確にする
詳細なコンセプトがあるほど、必要な立地や広さ、設備が明確になります。
- 飲食店のジャンルと提供する料理(和食、洋食、カフェなど)
- 利用者のターゲット層(ファミリー向け、若者、ビジネスマンなど)
- 営業時間(ランチ中心、夜営業、深夜営業など)
立地条件を決める
コンセプトを考慮したうえで、合ったエリアを選びましょう。
- 人通りの多さ(駅近、商店街、オフィス街など)
- 競合の有無(似たジャンルの店が多いか、少ないか)
- ターゲット層とのマッチ(学生街か、住宅街かなど)
- 家賃とのバランス(高立地=高家賃)
物件の探し方
物件はさまざまな方法を組み合わせることで効率よく探すことが可能となります。
不動産会社に相談
飲食店用の物件を取り扱う専門の不動産会社がおすすめです。居抜き物件に強いといった特徴があるからです。希望条件を伝え、プロの目線で物件を紹介してもらうことができますが、仲介手数料が発生します。また未公開物件について相談してみるのも有効です。
インターネットで検索
飲食店の物件を取り扱うインターネットサイトでは、地域や坪数、賃料など希望の条件に絞って検索することができます。
サイト例:「居抜き情報.COM」、「飲食店.COM」など
現地での情報収集
条件に合ったり、気になるエリアを歩きながら「テナント募集」などの看板や空き店舗をチェックすることも有効な手段です。その際に地元の不動産屋に飛び込みで相談するといった方法も可能でしょう。
SNSや知人からの紹介
飲食店経営者仲間、居抜き店舗の情報などを紹介してもらうことができる可能性もあります。まずはエリアと物件の条件を明確にし、不動産会社やオンラインサイト、SNSを同時に活用して、複数の物件を比較検討することが重要です。
内見時のチェックポイント
内見時には、立地や周辺環境、インフラ状況などを確認し、賃貸契約の前に慎重に検討する必要があります。
物件の内部
厨房の広さ、ホール、トイレの位置、そして動線をチェックしましょう。
インフラ状況
電気・水道・ガスの容量が業務用に耐えられるものか、換気・排水の状態、インターネットなどのインフラ状況の確認も忘れてはいけません。
周辺環境
周囲の騒音や交通量、駐車場の有無、公共交通機関、商業施設、住宅地などの周辺環境を把握しておくことも重要です。
建物の老朽化状況
建物自体のチェックもおこないます。老朽化が進んでいる場合には、後々修理が必要な部分が発生する可能性があります。共益費や保証金、更新料などの家賃以外のコストなども知っておくとよいでしょう。
居抜き物件 vs スケルトン物件
物件探しでは必ずと言っていいほど比較される居抜き物件とスケルトン物件、それぞれのメリットデメリットを簡単に解説します。どちらを選択するのかは、予算やコンセプトを考慮する必要があります。
居抜き物件(設備・内装付き)
メリット | 初期費用が安く、すぐに営業可能 |
デメリット | レイアウト変更がしにくい、設備の状態に注意 |
スケルトン物件(内装なしの空き物件)
メリット | 自由に内装設計できる |
デメリット | 初期費用が高く、工期も長い |
物件探しに関わるその他
物件探しでは、他にも注意しておくべき点があります。
開業資金の余裕を持つ
できるだけ希望に近い物件で開業するためにも余裕のある開業資金が望ましいです。そのためにも事業計画書を作成し、資金計画を立てることをおすすめします。物件取得費だけでなく、内装、仕入れ、人件費など、できるだけ詳細に必要な費用を算出し、銀行融資や政府系金融機関からの融資も候補としてみましょう。
賃貸契約内容は細かく確認すること
賃貸契約にはさまざまな約束があります。退去時の原状回復条件など、物件の契約に関して不明な点がないよう細かく確認する必要があります。不動産会社だけでなく、税理士などの専門家に相談することもおすすめです。
理想の物件を追い求めすぎない
希望に沿った物件というのはなかなかみつからないものです。100点満点の物件を探し続けることは、物件探しの長期化を引き起こし、開業までの時間を延ばすことにつながります。妥協点を決めておく、もしくは最初から80点くらいからスタートすることも考えておくとスムーズでしょう。
まとめ
近年、物件はさまざまな方法で探すことができます。不動産屋だけに限らず、インターネットサイト、SNS、厨房機器を取り扱う業者などでも飲食店用の物件を見つけることが可能です。それらを駆使することで、希望に近い物件をみつけてみましょう。