新型コロナウィルス感染症による影響や要請内容についてまとめました。
新型コロナウィルス感染症とは
人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスのことです。コロナウィルスには、人に感染症を引き起こすものとして、これまでに6種類が知られていますが、深刻な呼吸器疾患を引き起こすことがある重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)と中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)以外は、感染しても通常の風邪といわれる重度でない症状にとどまります。
2020年に日本で初めて最初の感染者が確認されたものが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)となります。
潜伏期間
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)には発症までの潜伏期間があります。世界保健機関(WHO)によれば、潜伏期間は1〜12.5日であり、多くの場合、5~6日が平均とされています。
潜伏期間にも感染性があることが特徴であり、感染が広まりやすい原因と考えられています。感染可能期間は、発症2日前から発症後7~10日間程度と考えられています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の一般的な症状
典型的な症状としてまず、発熱や悪寒、だるさといった風邪症状が現れ、その後に咳や痰の呼吸器症状が現れることが多くみられ、一部では肺炎症状を起こす場合があります。
さらにそこから一部で、呼吸困難や胸部圧迫感、意識が朦朧とするなど人工呼吸器が必要となるほどの重篤な症状へと移行します。
以下は新型コロナウィルス感染症の症状の割合です。
- 咳やのどの痛み・鼻水:50~80%
- 発熱:85%(症状出現時は45%)
- 倦怠感:69.6%
- 息苦しさ:20~40%
- 嘔吐や嘔気・下痢などの消化器症状:10%
- 味覚嗅覚症状:80%
上記のように新型コロナウィルス感染症では、呼吸器症状が中心で、多くの場合は軽症ですが、一部で重症化することがあります。
初期は風邪との区別がつかないような症状ですが、その症状が改善することなく、持続したり悪化したりする場合には注意が必要となります。
また一方で、発熱や咳などの症状がまったくない場合もありますが、体調がすぐれないと感じる場合には他の人への感染を避けるためにも慎重な行動が求められます。
新型コロナウイルスに感染したひとの中には、長期にわたり罹患後の後遺症に悩まされることがあります。多くみられる後遺症として、倦怠感や息苦しさなどは診断後半年経過しても1~2割にみられる症状といわれています。
新型コロナウィルス感染症の感染経路
新型コロナウイルス感染症がどのように感染するのかについては、現時点では、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。
飛沫感染
感染者によるくしゃみやせきなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込むことで感染してしまいます。換気のされていない密室空間や、満員電車などの人が多く集まる場所では感染する確率が非常に高いと考えられるのです。
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後に、その手で周りの物に触れるとウイルスが付きます。別のひとがその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。電車やバスのつり革、ドアノブ、照明のスイッチやエレベータのボタンなどが例に挙げられます。
上記の感染経路を断つことが重要な予防策となります。
新型コロナウィルス感染症の予防
周知された予防策は以下のようになります。
マスクの着用
くしゃみや咳による飛沫を周囲にまき散らさない、逆にそれらを吸い込まないために有効な方法として採用されています。一時期は不織布のマスクが売り切れ入手することができない状況となりました。
手洗い・うがい・手指の消毒
手洗い、うがいは予防に有効だとされ、外から帰宅したら、食事をする前などさまざまなシチュエーションにおいて石鹸を使用して丁寧に手洗いをすることで手についたウィルスを洗い流すことができます。また新型コロナウィルス感染症は、アルコールによる除菌も効果があるとされ、手洗いができない場所ではアルコール消毒による除菌が勧められています。
密閉・密室・密着の回避
換気ができないような密室や密閉された空間、また人との距離を置くことが予防につながるとされています。人との距離はソーシャルディスタンスといわれあらゆる場所で、距離をおくことが推奨されました。
窓がある場所では、窓を開け常に換気をおこない、窓がない空間では、空調などによって強制的に換気をおこなうなどの工夫が必要となります。
新型コロナウィルス感染症による影響
生活や娯楽に関連するさまざまなサービス、宿泊業、飲食店、飲食サービス、美容、旅行業、映画館、劇場、フィットネスクラブ、テーマパークなどにおいて新型コロナウィルス感染症の影響がでています。
そのなかでも特に大きな影響を受けたのが、飲食店といわれています。緊急事態宣言による外出を控える動きがあり、外食をするひとが一気に減りました。マスクを外し飲食をしながら会話をすることで、飛沫感染率が高まり、また会食などで多くの人が密集するという理由から飲食店から客足が遠のいてしまったのです。
それだけではなく、国や各都道府県からさまざまなサービス業に対し、要請が出されました。
新型コロナウィルス感染症に関する要請内容まとめ
生活や娯楽に関連するサービスに対して、新型コロナウィルス感染症に関する要請は各都道府県によって違いがあります。
営業自粛・営業時間短縮
緊急事態宣言の頃は、特に飲食店では営業の自粛を強く要請されました。営業しないことで、収入はなくなる一方で、家賃や人件費などの諸経費はかかり続け赤字となり、閉店する飲食店も多くみられました。
緊急事態宣言がまん延防止等重点措置になるころには、営業はできるようになったものの20時までの営業時間の短縮を要請されることとなり、夜の営業を中心とする居酒屋などではダメージは変わりませんでした。
ソーシャルディスタンス
人と人との距離をあけることは感染予防につながるとされ、飲食店などでは席数を減らしたり、1テーブルにつき4人までといった対策がおこなわれました。
またテーブルには、アクリル板がおかれ、対面で食事をする場合でも飛沫などが飛ばない工夫があちこちで見られるようになりました。できる限り接客もおこなわないことを目的とし、タッチパネルによる注文ができるシステムの導入が勧められました。
スーパーやコンビニなどでは、透明のビニールシートなどでスタッフと買い物客を区切ることもおこなわれています。
検温・消毒の徹底
飲食店のみならず、さまざまな場所では入店する人たちの検温とアルコールによる手指の消毒がおこなわれます。顔を近づけると体温を表示することができる非接触検温カメラやタブレット型のサーマルカメラなどを設置し、熱がある場合には利用不可となります。
またアルコール消毒液を設置することで、手指についたウィルスを持ち込まない対策もおこなわれています。使用後のテーブルなどもアルコールを使用して徹底的に拭きあげることなども含まれます。
2023年現在では、上記のような制限は解除されていますが、基本的なガイドラインを守ることが推奨されています。換気や手指の消毒などは引き続きおこなっている店舗が多くみられます。
まとめ
飲食店を始めとするさまざまな業界では、新型コロナウィルス感染者数によって、大きな影響を受けてきました。復調する傾向がある一方、いつまた感染者の増加がみられるかわからない現状があります。安心して利用できる店舗であることをアピールするためにも日々の感染対策は重要です。