近年増えている業務用食材の仕入れサイトの利用。どのようなサイトがあるのか紹介します。
業務用食材とは
特に飲食店など小売業者による使用を目的として販売される食品のことで業務用食品ともいわれます。特徴としては、包装が簡素であること、家庭用に比べ内容量が多く、単位量当たりの価格は比較的安価であることがあげられます。また家庭用は食品などを入れた袋の中を真空にしますが、業務用は袋の中に入れた食品の空気も抜き取るなどの特徴があります。違いを把握し、業務用食材のメリットを知ることで、上手く活用することができます。
コストを抑えられる
業務用食材は基本的に大量に仕入れることが前提となっているので、単価を抑えて仕入れることができます。飲食店のように食材を多く使うところにとって業務用食材はコストカットのために重要なポイントとなります。
長期的な保存が可能
業務用食材は種類によって真空パックされているものがあり、そういったものは長期的な保存が可能なものです。多くの料理を提供する飲食店では、食材が足りなくなるといった事態を未然に防ぐ必要があり、長期保存が可能な業務用食材を上手に使うことをおすすめします。
光熱費を抑えられる
業務用食材の中にはすでに調理済みとなっているものもあり、それらは提供する直前に温めるだけでいいものや、調理時間が短いものなどがあります。仕込みを含め、初めから工程をすすめる必要がないため、光熱費を抑えることが可能です。
業務用食材の仕入れ方法
飲食店の経営において、仕入れ先の選定は開業する前にやっておかなくてはならない重要なことですが、その形態はさまざまで自店舗に合った方法を選択しなくてはなりません。
小売店
スーパーや商店街にある精肉店、八百屋などが小売店に該当します。一般の消費者も購入する小売店では、業務用として販売しているわけではないため、特別価格が安いということはありません。わけではなく、価格が安い店舗は質がよくないなどそれなりの理由があります。また、基本的には定期的な配送にも対応していない場合が多いです。
業務用専門の小売店
近年では一般の消費者の間にも利用が増えてきている業務用専門の小売店で業務用スーパーなどが代表的です。安く大量に仕入れたい場合におすすめです。配送のサービスはなく、一定期間に行った取引代金を後日まとめて支払ってもらう支払い方法である掛け払いの対応もおこなっていません。
市場
市場では質の高い食材を安く仕入れることができます。生産者から直接的に仕入れた食材が並ぶので鮮度が高く、価格も安いことが特徴です。また、配送や掛け払いに対応している業者もあります。一方で業者との関係性が重要な部分があり、品質の良い食材を低価格で仕入れるためには、ある程度の信頼関係などが必要であるなど利用ハードルが高めとなっています。
生産者
自身の食材を見る目に自信がある場合には、それぞれの生産者から直接仕入れることも可能です。価格は安いですが、生産者との直接契約のためには、コミュニケーションによる交渉が必要となります。
卸売業者
現在、仕入れ先として定番であるのが食材の卸売業者です。卸売業者は古くは問屋ともよばれ、それぞれの食材を仕入れ、小売業者へ販売する事業をおこなっています。価格が安く、品質が安定しており、大量の仕入れにも対応している場合が多くみられます。配送対応はもちろんのこと、掛け払いでの支払いが一般的となっています。
ネット注文
最近は増えてきているのが、通販システムを活用した食材の仕入れ方法です。通販サイトから手続きや注文がおこなえるという便利さが大きな特徴です。時間やタイミングを気にせず、24時間365日携帯やパソコンから気軽に仕入れができるインターネットを活用した仕入れで、サイトによって扱う食材が違っていたり、小口の注文も可能であったりとさまざまなため、自店舗に合ったサイトが複数あれば有効に利用することができます。
業務用食材の仕入れ先を選ぶポイント
業務用食材を仕入れる際のポイントをおさえておきましょう。
食材の品質
品質の高い食材の仕入れは最優先事項です。仕入れ先を選ぶ際には、質のよい食材が用意されているかを一番に考慮する必要があります。
サービス
購入した食材を店舗まで届けてくれる配送サービスは必須です。急な依頼や夜間対応などもチェックしておくといいかもしれません。
価格
売り上げに影響のある仕入れ価格も重要なポイントです。ただ安いだけでは品質が悪くなってしまうため、できるだけ良い品質を低価格で仕入れる工夫が必要です。複数の仕入れ先を比較しながら慎重に選ぶようにしましょう。
小ロットでの仕入れ
特に卸業者から仕入れる際に気を付けたいのが、小ロットでの仕入れが不可という場合があることです。ある程度まとまった仕入れでないと受け付けてくれない場合があります。
掛け払い
飲食店では、食材が急に必要となったり、当初予定していた数量を前後する場合が多々あります。そのため期間を決め、その期間内の注文を後からまとめて支払いすることができる掛け払いが可能な仕入れ先を選ぶことをおすすめします。
業務用食材の仕入れサイトまとめ
上記での仕入れ先を選ぶポイントを考慮するとインターネットサイトによる業務食材の仕入れ方法は、時間や日にちを選ばず、小口でも発注可能であったりと、自店舗に合うやり方が可能となります。そこで、ここでは業務用食材の仕入れサイトをいくつか紹介します。参考にしてみてください。
久世らくらく発注（くぜらく）
久世（くぜ）は、1934年創業の食品専門卸会社で、外食産業に特化して食材を卸しており、その売上は首都圏ではトップクラスとなっています。外食専門ということからもわかるように、外食産業で求められているものを熟知、こだわった良質の源泉食材のみを扱っています。全国各地に物流センターを置いていて、独自の物流ネットワークを構築している業者で、国内だけではなく、海外からも注目されているグローバルな会社です。久世らくらく発注は、ネット上から注文できるシステムとなっています。
https://www2.infomart.co.jp/oroshi/index_2.pagex?2&oroshi_smcd=SkdpsM7m
食彩ネット
食彩ネットは、東京証券取引所第1部に上場している株式会社サイネックスの子会社の運営による業務用食材専門の通販サイトです。肉類や野菜、魚介類などの食材のみならず、調理食品や調味料、箸やおしぼり、楊枝などの消耗品や、厨房用品まで扱っているのが特徴で、国内最大級の品揃えとなっています。カテゴリによる検索はもちろんのこと、目的によって必要な食材なども探しやすくなっています。
Mマート
外食産業だけでなく、小売店や宿泊施設などの仕入れ先として多くの利用がみられます。サイト内には、格安商品コーナーや逆オークションなどのページがあり、サイトの利用法を理解して使い方に慣れると食材をより安価で入手することも可能です。
フードバリュープロ
関東食糧が運営する業務用食材専門の通販サイトです。食材を料理のレシピから探すことができるシステムを搭載し、新しいメニューの開発をサポートします。国産の食材をはじめ、海外で話題の食品なども取り扱っています。
https://fvp2nd.kanto-syokuryo.co.jp
ミクリード
主に個人経営の居酒屋を対象とした通販サイトになっています。深夜2時まで電話対応で受け付けており、夜遅くに発注作業をする店舗では、非常にありがたいシステムといえます。登録料や年会費は無料となっており、登録後すぐに購入可能です。薄い味つけによる調理を済ませてあるため、店舗ごとに味を変化させることが可能です。
https://www.micreed.co.jp/shop
メリット
業務用食材の仕入れサイトを利用するメリットを解説します。
深夜の発注も対応可能
居酒屋などの深夜営業をおこなっている店舗では食材の発注も営業後の業務となります。業務用食材を深夜に仕入れるのはなかなか難しい問題です。業務用のスーパーや小売店と違い、仕入れサイトでは時間の縛りがないため深夜でも発注をすることができるのです。
土日対応
業務用食材の通販サイトの中には土日などの休日の発注に対応しているところがあります。土日でも平日と同じように食材が届くことは、仕入れサイトならではといえます。
まとめ
多くの飲食店が業務用食材の仕入れを通販に切り替えています。利便性ではインターネットサイトは一番であるといえるからです。忙しい飲食店では、仕入れに足を運ぶ時間も無駄にできません。ただ実際に食材を手に取ってみることができないという点では注意が必要です。メリットだけでなく、デメリットも考慮した上で利用してみるといいでしょう。
